少しの、不
朝なのに電気をつけないと暗い位の厚い曇り空。
いつ雨が降りだしてもおかしくないような湿度。
思い返してみると、学生の頃からこんな朝が嫌いではなかった気がする。誰もが嫌がりそうな煮え切らない天気。
憂鬱を写したようなそら。
たぶん、すこしの不幸をもてあそんでいたのだ。
それはわたしがしあわせだったからだ。
幸せのなかにつかって、ほんのちいさな、ちいさな、ちいさなちょっとした不幸せな点をみつけて、まどろんでいたかった。
幸せな人はきっと、もっと元気だろうから。
わたしにはそんなに元気よくなれなかったから。
幸せだったのだ、きちんと。
だから世界史のノートに、ここにいたいって書いたのだ。
不満はあったけど、不幸ではなかった。
良かった。
良かった。