すとん

 ずっとつながっていて つづいてゆく。

 うすまりはしても きえはしない。



text by kazutaka yagi
http://bluenote.lolipop.jp/



フォトニカ8「おんど。」
グループ展で八木さんが書いていたことば。


「きおく だ」
そう思った。


すとんと頭に落ちて行って
そして肺の手前で息をした。



頭をガツンって打たれたような衝撃なんだけど
とってもやわらかい気分だった。



消えていってしまうことをこわがっていた
過去はどんどん風化して行くんだと思ってた


取り戻せないし
帰っていけない


だから今できることをして
今を残して
ずっと覚えて居ようと。




わたしが展示場に出したBOOKの、

これは、つづきだ。

かってに、そう思った。



面影

を感じて居たかった
そこに居たこと
居なくなっても
居た事があったから
それを覚えていれば
なくなったりしない


同じことが
もう二度と起こらなくても

同じようには
もう二度とできなくても



「在った」ことはなくならない。


あのときは、「ずっとつながっていて つづいてゆく」


それは記憶という中にしか生きないけれど
「うすまりはしても きえはしない」



覚えている。


たしかに、そこに居たこと。