秋のせい


すっかり、秋で、曇りの日に喜んでみたり、
今日は、晴れていてもよかったのに、なんて自分勝手なことを思う。


時折、春みたいだと思う日がある。
明るくて、まだ木々は緑で、キラキラとしていて、
寒くも暑くもなくって、風がふいている。


けれども同時に思う。
春とは全然違う。
春なんかとは、全然違う。
もっと、風は強く生暖かくて、日照時間がながくて、緑は生き生きとしている。
そんな風に、春を好きなのではと錯覚するほど、抵抗してしまう。
春とは、全然違うのだ。


心もとなく、秋をあるく。


あのころとは違うのだ。
寂しかったあのころとは、違う。
だから、大丈夫だよ。
あなたに会いたいと前ほどには強く思わないし、
あなたの幸せをきちんとお祝いできるよ。


おめでとう。