きおく


あなた、に会いたいな、とか。
きみ、を思い出したんだ、とか。

本人の知らぬ間に思う、想い。

伝える必要性はなく、伝える術ももうもしかしたらないのかもしれない。

なくて良いのかもしれない。



2年前のことを思いだした。
日付まで覚えていた。
怖いな、と思った。
ストーカーみたい。
けれども、覚えているのだ、仕方のないことだ。
インプットされてしまった誕生日を忘れられない性質なのと同様に、いろいろな事が、日付や天気や温度や音楽や匂いや着ていた服や、話した事や、やりとりしたメール、撮った写真、時間、それに付随する陽の長さも、忘れられないこととして、ある。全てではもちろんないけれど。
わたしはシツコイにんげんなんだろうな。

忘れていいんだ、わたしが覚えているから。

そうしていつか、わたしが覚えていると言うことを褒め称えてくれる愛しいひとと会えたらいい。