両の手


目が覚めてすぐ
両手を目の前にかざした




ある。




ほっとした。



ゆめの中のわたしの両の手は
手首からバツンと途切れてた


あれさっきまであったはずなのに


だれも見ないふりをして
それが大したことないみたいで



ゆめの中ではわたしも
大したことないことなのかなって
錯覚したくらいで



でもバツンと途切れた手首は
リアリティの無い世界でさらに
リアリティが無かった。



起こることのない事
想定もしていない事



そういう事柄が
現実で起こったとしても
不思議じゃないせかいに生きてる


それでも起きてすぐ両手をかざした



ある。




夢のなかでは無い事が
大したことないような世界で


それでも起きて、手をみて、手があって
ほっとして、初めてゾクっとした。



「へんな夢をみたよ」
そう言った途端



「それは現実だよ」
なんて言われたらどうしようって


そんな変な事を考えてたんだ。



photo:借りもの
シャッター:mimmyさん
ヒト:わたし