しんぷるに、

ここに、居たことを知っている。
だから、風景は同じでも
おんどが違うの。


いま、そこにだれもいなくても、
居た事をしってるから、
ちゃんと撮ってあるから
鮮明に残ってるから
何度だってこの場所を通るたび
思いだせるし、思い出の場所になる。




「いる」ことと「いない」ことの違い


「いた」ことと「いまはいない」ことの違い


「いまはいない」ことと「もういない」ことの違い



そういうのを表現したかった。


でも「言葉」にしてしまうとそれは
なんて寂しい作業で、
なんて当たり前のことで、
なんていみのないことなんだろうって


思った。


「今」を大事にしてるんじゃない
「今」しか大事にできないんじゃないか


過去をつなぎとめておく
そのために撮るのなら
わたしはそんなことは止めよう。



過去を忘れない為じゃない。
過去を残しておく為だけじゃない。


「今」ここにいることを、
ただ、シンプルに
誰でもなくわたしが、知るんだ。


それだけでいいんだ。