記憶
友人の中に居るひとに、
わたしと友人が小さな頃に会っていないか、と聞かれた。
わたしと友人が出会ったのは18歳の時だ。
けれど聞いてみるとどうも幼い頃住んでいたところが近い。
知らなかった。
友人は知って居たのだろうか。
それとも友人の中に居るひとだけ知っている記憶なのだろうか。
もし本当に小さい頃に会ったことがあったのがわたしだったとしたら、わたしはとてもとても不思議な気持ちがする。
驚き、不思議に思いながら近くの公園になら行っていたと告げたわたしに、
なるほどね、そこで会ったのかもね、スッキリした。と言った。
スッキリしてしまったみたいで、その話はそれきり。
20歳の頃、
わたしが高校生のころバイトしていたカフェの近くに、そのころ友人はよく行っていたという話をした。
てんでバラバラのところに住んでいたのだ。
じゃあ知らぬうちに会っていたかもしれないよね。そんなことを、はなしたのだ。
わたしたちが、何度もすれ違っていたのだとしたら。
18歳の時に知り合えたときに、やっと会えたのだと。
そんなふうに、おもってみるのだ
。