もう


もうすぐ彼の誕生日だ。
ということはもうすぐ彼女の命の日ってことで。


もういいんじゃないかって結局毎年思っていることに気がつく。

春の空気を感じる頃になる度
くるしくなる、黄昏れ泣きをする子供みたいに
春をまえにわたしは泣くのだ。

もういいんじゃないか
もうそろそろ、くるしくなるのは、やめにしないか


春がきらいだ
春がわたしを押しつぶす。