みぞれ


「息をするようにお話を書きたい」

重松清/みぞれ あとがきより


わくわくして
どきどきして
謎を解いたり
奇跡が起こったり
大号泣で感動したり



、しなくていい。

「世間の中から生み出される、暮らしと地続きのお話だって捨てたものではない」

まさに、そういうお話がすき。
どこかにいる誰か。
その会うことのない人の、日常のひとこま。
そのなかに、ちょっとだけ、ジンとくる言葉や、へぇと思う知識や、なるほどなと思う価値観を見つけられたら、それだけで十分。
文学(なんて高尚な捉え方はできてないけども)の楽しみ方はひとそれぞれで、好きな本なんてそれこそものすごく好みが出る。すきな本が似ているとそれだけで嬉しい。好きな本が全く違うとそれはそれで面白い。本は読まないっていう人はもったいないなと思うけれど、私がゲームをしたことがないと言うのと似たようなものかもしれない。

息をするようなお話。
みんな息をしている。どんな人も、世界共通。
わたしは今日も、息をしながら、息をするような本を 読んでいる。